人間の醜悪さを突き詰めて戯画化した作品。悪を徹底する狂気を体現したでんでん氏の演技が凄い。ここまで酷くはないとしても、これ的な方、いますね、怖いね、気をつけなくちゃね。映画としてはよくできているのだろうけど、いやもう勘弁してよという感じ。かろうじてネクロフィリアが強調されていないこと、ボロボロになった良心のかけら程度は残っていることがせめてもの救い。サドやバタイユの系譜と似たところもあり、フロイトやらフーコーやらラカンやらの力を借りながら理性的に決着をつけないとトラウマが残り続けかねない。つまり、考える糧にはなる映画。
