スガシュウヘイ

冷たい熱帯魚のスガシュウヘイのレビュー・感想・評価

冷たい熱帯魚(2010年製作の映画)
3.5
(2012年4月レビュー)
でんでんの壊れ方がいいですね~。
見ていて飽きないです。


逆らう人間は
殺してバラバラにする。
“からあげくらい”の大きさにバラした後、
骨は灰にして、肉は魚に食わせる。
それで
「ボデー、透明になっちゃったから大丈夫だよ(笑)」って。
完全にナメてますね。
でも
実際にでんでんみたいな人、いますよね。
パワーで押し切って我を通す人。
(猟奇的な人という意味ではないです。)
一緒にいると辟易するんですが、
ビジネス上関わらないわけにはいかない。

私は吹越満側の人間なんで、
かなり共感できる部分がありました。
あーいう風にがんがん迫られると
つい、やりたくない仕事も引き受けちゃうんですよ。


この作品、
つい猟奇的な部分に目が行きがちですが、
上司に逆らえない、
逆らうわけにはいかない立場の人間心理を、
心の小さい、弱い人間が抱える闇と葛藤を、
冷たいトーンで描いた社会派作品でもあり、
吹越満とでんでんの怪演も重なって
本当に楽しかったです。


実際私はグロいの苦手なんで、
かなり気合いれましたが、
初めからグロいとわかっていれば、大丈夫でした。


製作:2010年(日)
監督:園子温
出演:吹越満、でんでん