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ふたりの桃源郷のKUBOのレビュー・感想・評価

ふたりの桃源郷(2016年製作の映画)
4.0
キネマ旬報ベストテン第1位映画鑑賞会にて観賞。

すごい。すごすぎる。信じられん。見始めて、口をあんぐりと開けた状態。

70歳過ぎたじいさんとばあさんが、手に鉈を持って木を叩き斬り、薪にして火を起こす。水道も電気も通ってない山奥で、老夫婦ふたりだけの自給自足の生活。

便利な暮らしには見向きもしない。ふたりだけで山奥で暮らすことが何よりの幸せという、究極の愛の形を見た。

70から80、90となり、ふたりの体力や健康が変わってくると、その愛は子や孫の代に受け継がれてゆく。

25年間、ふたりの老夫婦に密着して撮られてきたテレビ番組を編集して出来上がった劇場版ということだが、実際の時間の流れを記録したドキュメンタリーだからこそ伝えられる真実の重みがある。

エンドロール、すすり泣きが聞こえる中で、私には「これ以上幸せな夫婦はいない」なぁと感じられて、微笑んで見終えた。

普段はあまり見ないドキュメンタリー映画で、こんな傑作に出会えた。キネマ旬報、ありがとう。
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