takanoひねもすのたり

さよなら、ぼくのモンスターのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.3
セクシャリティ+恋愛+主人公の成長物。
監督自身がゲイで、この映画は半自伝作品。

幼い頃に両親が離婚、父子家庭のオスカーは子供の頃にゲイへの暴行を目撃し以来それがトラウマに。高校生になり、特殊メイクの道に進みたい彼は、自分のセクシャリティと、支配欲が強く暴力的でホモフォビックな父親に苦悩していた。そんなある日バイトの同僚ワイルダーに一目惚れしてしまう。

今風な演出だなと思いました。
ふわんとした映像で、EDMが全編で使われてて、親友が女子で、とっても真っ当な子で、主人公が好きなる相手も、寛容で優しい。
主人公がハムスターと会話したりのファンタジーな演出や、トラウマの描写(腹から突き出る鉄棒、吐き出すネジ)がリアルっぽくも幻覚という演出だったり。
淡い恋愛(肉欲込み)も全然いやらしくなくて、なんかこう清潔です。

苦悩、葛藤、離別、自立、愛情がきれいに起承転結で展開して収まる。

母親が息子へ言う
"クソにまみれて生きるしかないなら強くなるしかない"の言葉がストレート過ぎて強い。
セクシャリティを自覚したばかりの10代に対して容赦ないです…しかしこれも母の愛。

ハムスターの寿命は概ね2年だったかな。
10年は確かに長寿ですよね 笑
さよなら、が父親にトラウマにハムスターにへにかかる。
そして大人への階段を登るっていうのも分かりやすく、なんだか前向きになれるラストです。