うかりシネマ

ザ・プレデターのうかりシネマのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・プレデター(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

1987年(『プレデター』)、1997年(『プレデター2』)の襲来によりプレデターの正体を掴んでいた政府の秘密機関がプレデターを追う一方、新たなプレデターが地球にやってきていた。
仲間を殺された主人公、プレデターの情報を持つヒロイン、そしてプレデターの装備品を持ち目的地となる息子と、人物配置が分かりやすく繋がっている。プレデターが地球に来たきっかけは息子がガントレットを触ったからだが、プレデターとの戦いで主人公はそのガントレットを触ったことで偶然助かっているので、息子へのヘイトは感じられない。
90年代の洋画のように、とにかくシーンごとに笑いを詰め込んでくる。

プレデターの目的は一応作中でも説明されるが、いまいち飲み込めない。『プレデター』、『2』では狩りのため、『AVP』では成人の儀、『AVP2』では目撃者を消すため、『プレデターズ』では別の惑星での狩りのためと分かりやすかったが、脊髄を人間との交配のために使うとか保護するとか、ストーリーとして理解はできるが<プレデター>シリーズとして面白くない。
中盤のプレデター同士、人間同士で戦うパートはプレデターである必要性がなく面白くない上、かなり長い。
子供を使うのであれば「いじめられっ子に馬鹿にされた瞬間プレデターのヘルメットが起動して殺す」みたいなやつをもっと観たかった。
そもそも本作でプレデターと人間を使って何がしたいのかも判然としない。プレデターの武器を使い互角に戦うわけではなく、かといって人間側が不利になることもない。ラストに登場する「プレデターキラー」を出していれば面白さは変わらないまでも、まだマシだったんじゃないか。

主人公の目的も「息子を守る」「軍から逃げる」「プレデターの存在を公表する」と定まらない。
ラストバトルはさすがに面白いが、これまでの積み重ねはなく『プレデター』や『プレデターズ』のような面白さで、中盤の展開がごっそり不要。
三つの場面が交錯する冒頭の時点で怪しかったが、プレデターなのに人間ドラマに尺を割きすぎ。
「この中に真の戦士が1人いる。マッケナだ」の展開は面白いが、根幹の設定が面白くないのでここが面白かったとて……。
サヴァン、PTSD、チックといった弱者を扱っているが、それもだから何?