『透明人間』（上映中、リー・ワネル監督）は、文句なしに面白い。1930年代、ウェルズにより発表された原作を基に何本も作られた同名映画はあれど、難しいこと抜きに本作は、逃げた妻になんとか自分の子供を産ませたい為、どうやら光学迷彩服技術を駆使したあり得るかもしれないスーツを着て追いかける男の気持ち悪さにただ身を任せればよいだろう。しっかしそれだけのために天才科学者が惜しげもなく自分の才を費やすのだから恐ろしさを通り越して、劇場では笑いを禁じ得なかった。『ミッドサマー』にしろ、今恐怖は笑いと共存するべき時代なのかもしれない。
