藍紺

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルの藍紺のレビュー・感想・評価

3.9
考古学が時代遅れの学問になっているような見せ方が、老境をむかえ孤独なインディの姿に重なって切ないオープニングで始まるシリーズ最終作。

ヒーローの幕引きはどう描いても熱狂的なファンからはあーだこーだ言われてしまうのは避けられず、マンゴールドは胃が痛かっただろうなと同情しつつ、まずは終わらせてくれたことに拍手を送りたい。私は好きでした、しみじみ良かった。
あれだけ華々しい活躍をしていたインディが、今の時代には生きていたくないと思う姿に色々感じ入ってしまう。アクションシーンも控えめだけど、ハリソン・フォードの御歳を考えるとこれが限界なのかなと。 インディの、本当に歴史が好きで過去から学ばなければならないという謙虚さと、歴史を愛するがゆえに時として理性を失い暴走してしまう危うさが私は好きで。その両方を味わうことができた今作だったように思う。

シリーズを通して必ず出てくる科学では解明できない超常現象シーン。今回のはいつにもましてブッ飛んでてツッコミが多々入りそうだけど、インディの夢が叶うならいいんじゃないでしょうかw

マンゴールドのスピルバーグリスペクトなのか、過去作のオマージュが多々あり、ラストのシーンにはしっかり泣いた。マンゴールドは頑張ってたと思うけど、スピルバーグの演出の見せ方やテンポの良さを改めて感じた作品でもあった。やっぱりスピルバーグは天才、映画うま男だよ。
そして長年インディ・ジョーンズを演じてきたハリソン・フォードにも感謝の気持ちしかありません。シリーズ通してずっと楽しませてもらいました、ありがとう。
藍紺

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