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3月のライオン 前編のwakachangのレビュー・感想・評価

3月のライオン 前編(2017年製作の映画)
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3月18日公開の映画『3月のライオン』前編、完成披露試写会でひと足先に見ました。

原作は尊重しつつ、生身の役者さんが演じるからこその作品になっていました。原作ファンの方も安心して見られるかと。原作見読んでなくても大丈夫だし(同行したお友だちが未読でした)。将棋を知らなくても楽しめます(私だ)。

神木きゅん演じる零はじめ人物造形がくっきりしていて。かつ、お話の芯である将棋のシーンが緊張感あって。見応えありました。あの将棋のシーンだけで、大友監督、信頼できる。そして川本家はいやし(モモちゃんのかわいさよ)、学校では高橋一生君演じる林田先生が救い。

中心は神木きゅんの零。だけど棋士たちの群像劇って部分が、きっちり描かれていてうれしかった。前編はとくに蔵之介さん演じる島田開の比重が高くて、蔵之介さんファンは必見かと。伊藤英明さん演じる後藤との対局は、動きはないものの、ある種、ガチンコな対決でした。

神木きゅんの零はほんと原作から抜けだしたようで。神木きゅんが演じることでさらに苦悩が色濃く。染谷君の二階堂のふくふくさよ。特殊メイクだけどナチュラルでした。零と二階堂のふたりのシーン好き。蔵之介さんの島田開は兄者的な頼もしさと、苦悩のバランスが絶妙。

将棋ってことで手のアップが多くて。手フェチにはたまらない。そして蔵之介さんの島田開、色っぽい。ヤバい。ちょい枯れてるんだけど、それがまたいい。あといままで伊藤英明さんを色っぽいと思ったことないのですが、この映画の後藤は色っぽかった。ちょい見る目が変わった。

零の義父の幸田は若い頃といまを演じるんですが、トヨエツさんはさすが。そして零や幸田家の子役たちよかった。ある種、人の域を超えたような宗谷を加瀬亮君が静謐に演じていた。後編が楽しみ。高橋一生君の林田先生、出番少ないけどおいしい。零の背中を押してくれるひとり。

個性あふれる先輩棋士を中村倫也君、尾上寛之君、岩松了さん、斉木しげるさんという面々が。倫也君のスミス、さりげなくよかった。甲本雅裕さん、奥野瑛太さんが、零の対局相手として登場。奥野さんといえば『サイタマノラッパー』のMC MIGHTYですが、別人です。

川本家祖父役の前田吟さん。まさに相米二!川本三姉妹の倉科カナさん、清原果耶さん、新津ちせちゃん、バランスよかった。川本家、居心地よさそうだったな。そして有村架純ちゃん。香子みたいな役は初だと思うんだけど、零に対して意地悪だけど、同時に壊れそうで新境地。

零が宗谷と対決する後編がいまから楽しみ過ぎる。
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