来世はおしるこ

愚行録の来世はおしるこのレビュー・感想・評価

愚行録(2017年製作の映画)
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びっくりするくらい良い映画だった、わたしこういう映画大好き
なんだろう、あのぬるっとした日常がすごくリアルで怖くて好き(家族の深刻なトラウマの話をしているのにきた電話にすぐ出て「あっ今全然大丈夫すよ」とか言う)、ジャパホラだろって思った

ああ地獄を生きてる人だ、そんな人の話だ、と思ったら急に新入社員に手を出す男のくだらない話、大学で金持ちに相手されない女のつまらない話、”エリート”ってタイトルに翻弄されるふざけた男女の話、日常にありふれたモブがかなりリアルに、具体的に、まるでそれぞれがそれぞれの人生の主人公かのように描かれていて、そんな風に感じさせるこの映画が不思議だった

そして満島ひかりが怖すぎる、満島ひかりが怖すぎる(2回言った)
と思ったら妻夫木聡の怖さが天井突破、ラスト10-20分?とにかく怖かった、音楽も演出も役者も「何もわかってないくせにわかったような目で見るな」って他のモブたちを見る目でわたしたちを見てきてる感じがした
でも本当にそう、だって妻夫木聡のことは何も語られないんだもの、だからこその怖さだけど1.5時間スクリーンを眺めただけで知った気になってしまうわたしたちにとって頭を殴られるような感覚じゃない?言い過ぎかな、でも日常に潜むどんでん返しは怖くて怖い分だけ救いになる気がしたの
だってそれでも彼らは希望を持って、あるいは持ちたいと思って生き続けているのだから、それがどれだけ苦しいことだろうと思っても思い切れないし知り得ないことだけど
来世はおしるこ

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