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オールド・ジョイのIRIのレビュー・感想・評価

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)
3.8
おっさん2人が秘湯に向けてドライブするだけの映画だと思って観に行ったのだけど、大人になるにつれて別の道を歩む2人の一瞬の邂逅が見られる最高の映画だった。

大抵の人は極力ニュートラルに生きようとしていても社会はそうはさせてくれなくて、コロナ一つを例にとっても、ワクチンを打つ/打たない、極力外出しない/気にせず外出する、実家に帰る/帰らない、など多くの選択を自然と迫られている。

そんな選択に迫られる日々の積み重ねによって、かつて親しかった(ヒッピー的に生きる)カートと(家族を持ち子供が産まれる直前の)マークの間には、いつしか壁が出来てしまっていたし、彼らがなんとなく森に行き、自然に囲まれて温泉に入り、肌が触れ合うことでその壁が溶け出したように感じられた。

街にもどって普段通りの生活を送れば、やっぱり壁は作られるんだけど…。マークが1人でドライブする時だけ聴く政治番組はそのスイッチのオンオフになっていた。
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