こしあん

彼らが本気で編むときは、のこしあんのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
4.5
なんてステキな映画なんでしょう!
全編通してずっとじんわり泣いてました。あたたかい涙、悔しい涙、うれしい涙、悲しい涙、怒りの涙……いろんな種類の涙があふれました。
自分が子どもの時のことを思い出したりもして。

血がつながっていようがいまいが、家族だろうが他人だろうが、気の合う人、合わない人はいるし、そればかりにとらわれる必要もないし。
でも、大人は子どもを守る責任がある。

LGBTの問題だけでなく、親子や家族のお話。シリアスとコミカルが絶妙なバランスで混ざり、優しくあたたかい空気に包まれた作品。
「ビール発明した人にノーベル賞あげたい」ってセリフが出てきますが、私はこの映画にノーベル賞あげたいです!

俳優さんたちの演技も素晴らしくて、トモ役の女の子が本当に良かった。寂しさを抱え、生意気で冷めてるんだけど、芯が強くて優しい。そんな繊細な女の子を見事に演じていました。
生田斗真はまったく生田斗真と意識せずに、リンコとして見てましたねー。

編み物、糸電話、自分が生まれた年のコイン、コンビニおにぎり、介護施設のおじいさん、病院の大部屋など、ちょっとした小物の使い方やエピソードのちりばめ方がうまいなぁと思いました。
あと、食事のシーンも。みんなで食卓を囲むって何げないことだけどとても大事だと、気付かせてくれる。

リンコの母親のように、あたたかくて包容力があり、そしてユーモアを忘れない人間でありたい、そう思いました。

私も悔しいことがあったら編み物しようかと思ったけど、編み物とか手芸とかめちゃくちゃ苦手なんだよなぁ…。
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