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彼らが本気で編むときは、のmのレビュー・感想・評価

彼らが本気で編むときは、(2017年製作の映画)
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難しいのはトランスジェンダーのリンコさんに分かりやすい『母性』をかなりガッツリと背負わせている事で、その『女性的』=『母性』という分かりやす過ぎる構図と『母性』の類型的な描写に果たしてこれで良いのかと思い悩んでしまう。
編み物をして怒りを抑えるというのも、悪い意味で日本人的と言うか。

ネグレクトの問題も正直どう考えてもそんなに簡単に解決する事ではないだろうと思ってしまう。母親を演じるミムラが如何にもというやさぐれ方をしていなかったのが良かったけれど、この問題を簡単に片付け過ぎてしまった。

トモのゲイの同級生の自殺未遂をかなりさらっと描いているのも気にかかる。






生田斗真(その所作と発声の完璧なしなやかさよ)と桐谷健太の抑えた演技にはこの題材を扱う時にあるべき繊細さがあって良かったし、柿原りんかも子役らしからぬ抑制と存在感があってまた良かった。


色々思う所はあるとはいえここから日本の映画・ドラマ業界が進歩して行けば良いなと思ったけれど、最近の「俺スカ」とかを観るとやはりそう上手くはいかないとも思う。
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