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ミルクのsonozyのレビュー・感想・評価

ミルク(2008年製作の映画)
3.5
トルコのセミフ・カプランオール監督による、自身の半生を元にしたユスフを主人公とした三部作(『卵』『ミルク』『蜂蜜』)の2作目。
ユスフの青年期が描かれます。
※ここにあるのは三部作のポスター(ビジュアルは『蜂蜜』)なので本作の内容とは関係ありません。

老人、二人の若者、女性、煮たミルク、木とロープ…という屋外での何やら衝撃的なオープニング(笑;)。

青年ユスフは母と二人暮らし。
牛を飼い、細々と牛乳屋を営んでいて、側車付きバイクで牛乳を配達販売したり、市場でチーズなどを売って暮らしている。

詩の創作に夢中のユスフは「夢」という専門誌に作品を応募し、毎日のように郵便局に顔を出して採用の連絡が来てないか確認し、「夢」の選考に関わっている詩人?教授?の老人を追っかけアピールしたりしている。

母はそんなユスフに呆れ気味で、ユスフも母に心を閉ざしているように見える。

ある日、母の様子に“女”の気配を感じるユスフ。以降、母の男関係に悶々とする日々が始まる…

彼女のいないユスフに友人が仕掛けた?女性との微妙な時間。
意味深に登場する蛇。
工事現場で働いている友人(詩を書いていた)の存在。
書店で出会った詩の愛好家のセラム(『卵』のアイラ役のサーデット・アクソイ)とのひととき。
猟をする男を追うユスフの緊迫感。
などが印象的。

ユスフと母との関係・こじれた心情がメインテーマとなっていて、ユスフ役のメリヒ・セルチュクがいい味でしたが、ラストを含めやや冗長な長回しが多めなのが気になりました。

イスタンブール国際映画祭: 観客賞、国際映画批評家連盟賞ほか
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