改名した三島こねこ

ドラゴン・タトゥーの女の改名した三島こねこのレビュー・感想・評価

ドラゴン・タトゥーの女(2011年製作の映画)
3.4
映像的な美を心掛けていてとても好き。ただ派手なタイトルに反してかなり繊細な物語なので、原作小説を一度通読するべきなのだろう。

ハリネズミのジレンマという言葉があるけれど、ミカエルとリスベットの関係性はそれに近いように思われる。
二人ともが他人と傷つけあった心の傷を持っていて、そこに針を刺すような鋭い触れ方をしないように一歩踏み出しきらないからこその心地よい関係。だからこそあのラストシーンになったのだろうし、切なくともなぜだか納得してしまう。

残酷な描写が倫理的問題に引っかかるのではないかと製作陣は戦々恐々としていたらしいが、リスベットが虐待されるシーンが一番痛ましくて見ていられない。
ミカエルとの情交を対比的に昇華する目的なのだろうが、露骨に表現されるよりもよほど悍ましかった。