とがり

エル ELLEのとがりのレビュー・感想・評価

エル ELLE(2016年製作の映画)
3.8
主人公・ミシェルのレイプシーンから始まるジャンルレスの怪作映画。

ミシェルの傷だらけの人生の一幕を切り取っただけのような単純な構成の映画だが、冒頭のレイプシーンしかり、”日常”を描くことがそのまま狂気になる恐ろしさ。

人は良くないと理解していても、誰もが多かれ少なかれ「こいつは(殺人者の娘だから)虐げても良い」という私刑嗜好癖とでも言うべき性質を持っている。
その標的になったとき、狂わされ続ける人生をどう生き抜くか?
加害者と被害者の悲喜交々を、皮肉と冷笑たっぷりに描いた狂気のブラックコメディ…
そんな映画だと思った。
とがり

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