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オクジャ okjaのtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

オクジャ okja(2017年製作の映画)
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【オクジャ/okja】
食糧不足解消のため米国のミランド社は遺伝子組み換えにより生み出したスーパーピッグを全世界の畜産業者に送り、「10年間で1番大きくブタを育てた人が優勝」というスーパーピッグ計画というコンペを実施。
10年後、韓国の山地に住むミジャと畜産業者の祖父が放し飼いで育てたスーパーピッグのオクジャがコンペに優勝することになり
幼い頃からオクジャと一緒だったミジャはオクジャと離ればなれになってしまうことを知り、オクジャを追いかける…

フィクション/ノンフィクションに問わず、人間が動物の命をいただいて生きていることへの感謝みたいなことをテーマとする作品は多々あるが本作はポン・ジュノ版のそれ。
ただ、流石ポン・ジュノ監督、それらの作品で陥りがちな説教臭さや生真面目なだけにならず、どの立場の人間にも善悪を断定しないのもいいバランス。
まずモンサントみたいな食肉加工会社のミランド社自己愛の強いCEOルーシー、シーシェパードチックな動物愛護団体ALFの面々、バカっぽい動物学者のジョニー博士…変にデフォルメした人間像にギャグがが盛り込まれている。

またポンジュの作品恒例の飛び蹴りもちゃんとミジャが担保したり、高速道路でのオクジャ奪還のためのジャッキー映画みたいなのがあり、このテーマでがっつりアクション映画要素をを出してジャンルを越境している。

そんなことしてたらよくわからない感じになりそうだけどテーマをブらさず、いのちの食べ方を思考させ、ミジャの伏線回収するエンディングやALFの「お前ら世界中の下で畜産業者相手にしなきゃじゃん?」も一応の落とし所を見つけるのも見事
相変わらず変だけどすごい映画撮るな。

オクジャとミジュが逃げるシーンでの通った商業施設内の飲食店の看板がブタの絵だったのは地味に好きなシーン。
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