rage30

ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

遭難死した仲間の遺体を回収する登山家の話。

登山モノというとシリアスな印象を受けますが、本作は意外とコミカルな描写が多め。
特に前半は新人登山家の成長を中心に描かれるので、登山に詳しくない人でも入り易いのではないでしょうか。(後輩いびりが若干クドいですけど)
そして、中盤以降は、仲間の死や遺体回収作戦など、シリアスな内容になっていきます。

個人的に本作を見ていて気になったのは、主人公達が命令やアドバイスにまったく従わない事。
危険だ!無謀だ!という警告を受けても、それを無視して自分勝手に行動してしまうんですよね。

プロの登山家はもっと冷静でリアリストなのかと思いきや、やってる事がまるで博打だし、全く持って感情をコントロール出来ていない。
その上、彼らの行動をさも英雄的で、ヒューマニズムに溢れる行いとして描いてしまっている。
逆に、状況を冷静に判断する人間は、冷血漢と非難される始末で…。

いや、分かりますよ。
映画的に、命令に背く様なキャラの方が盛り上がるし、仲間を見捨てず情に訴える方が泣けるでしょう。
でも、命懸けの登山家がそんな素人みたいなメンタリティーで良いの?って思うし、折角ならプロの登山家の冷徹な一面を見たかったな~と思いました。
仮に主人公が冷徹なキャラクターであっても、最後にエモーショナルを爆発させれれば、感動は出来ると思うし、むしろ抑圧された分、より大きな感動になった気もするんですけどね。

他にもツッコミどころはあるのですが、それもまぁ映画的な演出・誇張だったのかな…。
そういう作為的な部分が引っ掛かって、私は楽しませんでしたが、映画を素直に受け取れる人なら楽しるのかもしれません。
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