たわーりんぐいんふぇるの

ヒマラヤ 地上8,000メートルの絆のたわーりんぐいんふぇるののレビュー・感想・評価

3.6
実在の登山家オム・ホンギルの実話を基にした作品で、ヒマラヤの過酷な環境の中で、命を落とした仲間の遺体を回収するため、命がけの遠征に挑む登山隊の姿を描いたヒューマンドラマ。
遠征隊隊長オム・ホンギル(ファン・ジョンミン)の引退後に夢を引き継いだパク・ムテク(チョンウ)が遭難してしまう。
ホンギルはかつての仲間を回り、捜索隊を結成して捜索に向かうという、とてもシンプルな話。
前半は、主人公と仲間たちの深いつながりを描いていて、後半は過酷なヒマラヤでの捜索劇を描いてる。
人間ドラマを落とし込むのは韓国映画が得意とするところで、ファン・ジョンミンやラ・ミラン、そしてキム・イングォンなどの俳優陣が全力で演じてる。
肝心の雪山の厳しさのシーンもよくできていて、滑落、墜落、フリーフォールもリアルで臨場感たっぷりによく撮れていて、映画としては良い作品だと思う。

同じような作品にドイツ映画「ヒマラヤ 運命の山」があるけど、あっちは弟だったかを連れて帰ってきた。そういう意味でこっちは仲間の喜怒哀楽を描いただけの自己満足にも思える。
そもそも「人は何故山に登るのか」を描いているつもりなんだろうけど、伝わってこない。
だから山のことがよくわからない人間からすると、ヒマラヤに登頂したと言って「誰が幸せになるんだろう」、と素朴な疑問。
それぞれの想いや事情があるだろうけど、だからこそ映画にするならもう少し欲しかったかな。