韓国らしい映画。暗く、そしてひどく苦しい。
事故でうまく喋れなくなったジウン(シン・ヒョンビン)は、繊維工場で働いていたが、ある日男3人に強姦される。
タイトル通り、ジウンは男達に復讐していくわけだが、それも最初から積極的に復讐を始めたわけではない。強姦という屈辱を受けた上に警察では事件そのものを疑われ、しかも打ちひしがれて帰ったら…
不幸の追い討ち。
ジウンに不幸をもたらす男ども。
ちょっと過激かもしれないが、強姦するような奴は、復讐されても仕方ない。この作品でもあるように、そういう性癖は治らないし、繰り返す率が高い。
殺していいとまでは言わないが、たった5、6年の刑期で普通の生活に戻れるなんて、罪の重さからいったら全然釣り合わない。
強姦された女性はその時に心が死に、人生が停止する。殺人を犯すも同じこと。
男性警官が、「大声をあげられたんじゃないの?」「ジーンズって脱がせにくいのに」という。怒りで頭の血管切れそうになった。
これに関しては男性と女性では考え方に根本的な違いがあるのか。男性全部とは思わないが、強姦に関する作品には往々にして出てくる二次被害の状況。
ジウンが復讐の前に口紅を塗る。いつも化粧っ気のない顔が華やかになる。それはジウンとは別人。復讐するための心のバリアだ。決して復讐を楽しんでいるわけではない。良心と戦っているのだ。
**ここからネタバレ**
ラストにもう一つラストがくる。
カン刑事の怒りが男を撃たせ、そしてジウンの呼吸器を外させた。もうこれ以上、この男にジウンを傷つけさせない。
悲しい結末ながら、それしか結末として許せない。そんな気持ちになる。
それから、ジウンの友達の女性とその彼氏が過去にバイクで事故を起こすが、その事故こそジウンの事故のようだった。ハッキリとはさせてなかったように思う。ジウンがそのことに気づいていたのか…