ハッピーアイスクリーム

ウインド・リバーのハッピーアイスクリームのレビュー・感想・評価

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.6
雪深いネイティブ・アメリカンの保留地“ウィンド・リバー”で少女の死体を発見した地元のハンター・コリーが派遣された新人FBI捜査官バナーと共に事件の真相を追うサスペンス。

なぜこの土地では少女ばかりが殺されるのかーー

かつて先住民が追い込まれた土地で、今なお続くネイティブ・アメリカンと白人の間にある闇に迫った、実話を基にした作品。

主人公のハンター、コリーもまたこの土地で生き、自分の娘を何者かに殺された過去を持っていて、被害者の父親とある約束をします。この約束が果たして正しいジャッジだったのか。すごく考えさせられます。

コリーを演じたジェレミー・レナーがまた素晴らしかった。
終始冷たい表情で、厳格な雰囲気なのですが、被害者の父親を諭す時や、自分の娘が殺された過去をバナーに話すシーンでの微妙に抑えていた感情が溢れ出す感じが、すごく伝わってくる。
現時点でジェレミー・レナーの最高傑作だと思います。

“苦しめマーティン とことん悲しむんだ そうすれば共にいられる”

“この土地では 生き残るか 諦めるかだ
獲物になる鹿は 不運ではなく 弱いからだ
君は戦った だから帰れる”

閉鎖的な地だからこそ起きてしまった悲劇と間違えてしまった選択。過去を受け入れて、諦めずに戦い続ける男が最後に下す選択は魂を揺さぶられます。