藍住

ウインド・リバーの藍住のネタバレレビュー・内容・結末

ウインド・リバー(2017年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

自分の知らないところで、消えてゆく人がいる。
とてもショッキングなのに、目を逸らしてはいけないと思った。
観終えた後の余韻をどこかで知っているな、と記憶を辿ってみたら、『レヴェナント』を観た後の余韻と似ていた。
事件は解決したのに、それは始まりに過ぎず、問題そのものは何も解決していない。
こんなにやるせない映画はない。

女の子なのに、夜に一人で出かけさせたの?と偏見の眼差しで問いかけたジェーンが、ラストに「彼女は一人で10キロ走ったの?」と泣きながらコリーに聞くシーンで涙が溢れた。
被害者を責めるべきではないのに、皆んな無意識に被害者を責め、追い込んでいる。
本当なら、犯罪を犯した人間が100パーセント悪いのに。
この映画でもそうだ。
責めるべきは夜に一人で外出した女の子や、一人で出歩くことを許可した女の子の両親ではなく、犯罪を犯した人間のはずなのに。

映画を観てから、この映画のことを、ずっと考えている。
藍住

藍住