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ナンバー・ゼロのmareのレビュー・感想・評価

ナンバー・ゼロ(1971年製作の映画)
2.5
ドキュメンタリーにおける演出をゼロにし、ただ一人の人物が喋る様をワンシチュエーションのみで見せる徹頭徹尾ミニマルな記録。語り手がユスターシュの祖母でその人生を言葉のみで綴っていくので想像力が試され、極めてパーソナルでユスターシュ自身のセラピーのような側面も併せ持つ。絵的な動きはほぼ無いに等しいが、既存のドキュメンタリーにおける演出を徹底的な排除したアンチドキュメンタリーでもあり、ユスターシュの底知れない姿勢が窺える。何度もカチンコを鳴らす彼の現場での動きも見れる貴重な資料映像とも言えそう。
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