ピロシキ

ダムネーション 天罰のピロシキのレビュー・感想・評価

ダムネーション 天罰(1988年製作の映画)
3.6
窓の外、ガタンゴトンと石炭が運ばれるリフトがぼんやり映るファーストカット。それだけで、約5分。マジで客を寝かしにかかってる。タル爺に至っては2時間で終わるだけでもじゅうぶんに良心的なのだろうが、たいした魅力もなくなんてことない男の話を、ただゆっくりとのっぺりと、カメラが追っていくなんて。いくら絵画的なショットの連続でも、起きてなきゃ見れないじゃねえか。『ヴェルクマイスター・ハーモニー』のときのような、あの言葉にしがたい驚嘆・感動は、得られず。目が慣れてしまったのだろうか。とはいえ、その目も閉じてしまいそうな状態でなんとか確認したイメージは、以下の通り。雨、めっちゃ笑ってくるメガネのマスター、雨、ベッドの上無言で交わる男と女、雨、ソーシャルディスタンス無視のスシ詰めダンスフロア、雨、水溜りのタップダンス、雨、野良犬との喧嘩、雨。もはや映像が綺麗かどうかはどうでもいい。でも幸せならOKです!…って、幸せでもないのかよ、この男。
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