ネタは隅々最高！アメコミネタから他の映画作品ネタから役者ネタまでこの作品でしかできないネタの嵐は相変わらずめちゃくちゃ楽しくて、ここまでやるかと一歩進んだ振り切りっぷりが最高だった。
カメオ出演の豪華さたるや！一瞬だけのも含めめちゃくちゃ笑った！笑
しかし続編って難しい。
前作が面白かったから続編が見たいわけで、前作の魅力をもう一度続編っつー新しいネタで見たいのもあるけど、虚構世界の境界線破壊っつー固有の個性としての斬新さは薄れてしまう。
それを抜きにしても捻られた展開は面白かったが、前作から踏襲されてるネタの独特さと、それに反して敢えてぶちこむベタとも言えるストレートな映画文法が続編ゆえ過剰に高められている。
カーディガンズ2と同じ顛末っつーか、既存の娯楽性をオリジナルブレンドしていた1作目、から解き放たれたことでブレンドの内容が前作でウケた部分を目立つよう抽出し過ぎてその部分が好きな人には楽しいけど、絶妙なブレンドバランスに感動した人には単なる要素の寄せ集めに見えてしまうと言った面が。
ネタやキャラなどの作品固有の個性的な魅力はパワーアップしてるけど映画としての全体の質は下がってる感じは否めず、それで言うと「デッドプールだから面白い」というのと「デッドプールは面白い」というのはイコールにならない。
シリーズの続編としての期待に応えるには十分な完成度ではあったけど、1作目としての前作のインパクトは超えられない難儀な感じ。
その齟齬って結構難しくて、いい意味で前作のやり方をそのまんま踏襲しつつ劣らないクオリティを保った完成度は凄いし、これで満足する人はたくさんいるだろうけど、個人的に前作で一番感動した「斬新なインパクト」という点での魅力を求めるてしまうと不満が残った。
お決まりのいつもの姿を見たいという欲と、新鮮な刺激が欲しいというのは同時に叶わないっつーシリーズものの宿命みたいな部分だから今作だけの話ではないが、それにしても同じことを繰り返しているように見えてしまった。
差別問題やファミリームービーなどのテーマの組み込み方も笑わせながら泣かせる感じで上手さはあったがちょいとストレート過ぎっつーか、前作はそれで良かったが今作のはあのキャラにしてこのテーマと言うだけにもっと捻くれて欲しかった。
