エクストリームマン

デッドプール2のエクストリームマンのレビュー・感想・評価

デッドプール2(2018年製作の映画)
4.1
You're so dark. Are you sure you're not from the DC universe?

1作目があれだけの成績を上げたのだから、当然の2作目とも言えるし、また映画会社的には是が非でもの2作目だった…のか?監督交代もあり、新たなメンバー(というか、ケーブルの能力)に不安もあったけど、結果的には順当な2作目だと思う。『21ジャンプストリート』→『22ジャンプストリート』ほどの上げはなかったものの(ほとんどの続編であのレベルの上げはない)、『ヒックとドラゴン』→『ヒックとドラゴン2』くらいの、2作目としての真っ当さがあった。まぁ、ケーブル役がジョシュ・ブローリンに決まった時点で、映画の出来はどうあれそれだけで十分だと思っていたから、内容も良くて、そういう意味では文句なし。

ケーブル(ジョシュ・ブローリン)登場で一番懸念されるのは、当然時間遡行能力の扱いで、これが「なんでもアリ」のデッドプール世界で使われたら輪をかけて「なんでもアリ」状態になって、そうなるともう全てがどうでもよくなってしまうだろう。そこはライアン・レイノルズはじめとした制作陣はよくわかっていて、前作同様、特に本編内では「なんでもアリ」を制限してきっちりドラマを成立させていた。

前作が昨今逆に珍しい、正統過ぎるヒーロー誕生譚だったのに対し、今作はヒーロー故の代償と苦悩、そして家族を得ることについてという、これまたあまりにも正統的なヒーローの物語。ヒーロー稼業故に親しい人間の命を狙われ、喪失の絶望から死のうにも能力(ヒーリングファクター)がそれを許さず、心が壊死していくところは、コミックのデッドプールにも通じる悲壮さがある。ドン底で出会ったラッセル(ジュリアン・デニソン)を襲撃者=ケーブルと対峙して救おうとすることで、デッドプールは徐々に心を回復させていくが、それはさらなる葛藤の入り口でもあり…。やはり、あまりにも正統的。