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恐怖女子高校 女暴力教室のblacknessfallのネタバレレビュー・内容・結末

恐怖女子高校 女暴力教室(1972年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

恐怖女子高校シリーズの1作目。

おれの東映推しメン女優、杉本美樹さんが主演。
クレジット的にも確かに主演なんだけど、いいとこをほとんど池玲子さんに持ってかれてる、、
映ってる時間も杉本美樹さんのが長いし、ストーリーの中心にいるにも関わらず池玲子さんの印象が強く残っちゃうんだよな笑

杉本美樹さんは地元の有力者一家が設立した問題児の受け皿的な高校のスケバングループのリーダー。
学園内には理事長の娘をリーダーとするもう1つのスケバングループがあり激しく抗争してる。
親の権威を笠に着た卑怯な理事長娘に怯まずぶちのめしかっこよく暴れ回って主役って感じなんだよ、この辺りまでは。

でも、他校でスケバンやってた池玲子さん転校してから雲行きが怪しくなる。
スパルタ指導の男性教師に殴られた杉本美樹さんが仕返しに男性教師の恋人の女性教師を仲間の男の不良達にレイプさせる😨
某有名女優の娘のスキャンダルを思い出した。
これはどう見ても主役のやることじゃないよね、権威に逆らうスケバン魂の発露とも言えるけど、、
しかも、これをさっそうと止めに入るのが池玲子さんなんだよ。「そんな悪どいことはするな」と。構図的に池玲子さんのが主役っぽいよね笑

で、これが因で池玲子さんと杉本美樹さんはタイマンを張ることになる。
この時おもしろいのが池玲子さんが突然、所謂"お控えなすって"のポーズを取り清水次郎長的な自己紹介をして杉本美樹さんにタイマンを申し込む、それを受けて杉本美樹さんも"お控えなすって"のポーズで自己紹介しタイマン受ける旨を伝える笑
不良ってヤクザの真似事するけどこんな江戸時代のヤクザのスタイルなんか取らないよな笑 変だけどおもしろかった笑

そんなスケバン同士の抗争の他所では、理事長の馬鹿息子が学校の生徒を妊娠させてしまう。この馬鹿息子はヤリチン野郎で常にセックスのことしか頭に下衆野郎だから、当然、認知なぞせず彼女に堕胎を強要する。
彼女が応じないとみるや妹(理事長の娘)のスケバングループを使い、彼女をリンチして無理やり流産させる。
この学校、理事長一家が最悪の下衆野郎ばかりで父も息子も娘も我欲の塊なんだよ。
だいたい父である理事長は愛人とセックスばかりして、それ以外は金儲けしか考えてない最低男だから。
理事長役が金子信雄なんだけど、"仁義なき戦い"の山守とまったく同じ役なんだよ。

流産させられた生徒は校舎から飛び降り自殺する。
しかも、学校はスキャンダルを恐れこの事件を隠蔽しようとする。

そんなど汚なさに怒り心頭の杉本美樹さんは理事長娘グループと最終決戦をする。
川原で両グループ入り乱れてのキャットファイトシーンはなかなかの迫力。監督が鈴木則文さんだから"トラック野郎"のケンカシーンみたいな華やかさがある。
ケンカも終盤になり杉本美樹さんグループの勝利が見えたとこで、理事長娘グループがお互い使用しないと約束したナイフを一斉に取り出す!卑怯者の定番だよね笑
杉本美樹さん絶体絶命のピンチ!そこ猟銃を携えさっそうと現れる池玲子さん。
池玲子さんは理事長娘グループにナイフを捨てさせ、杉本美樹さんグループに加勢して理事長娘グループをボコボコにする笑
ここでもおいしいとこを池玲子さんが持ってちゃうんだよ笑

この後、意気投合した二人は残る敵、理事長と馬鹿息子をぶちのめしに理事長宅に、正確には理事長が入り浸る愛人宅に笑
転校して日も浅い池玲子さんが何故ここまで理事長一家を敵視するかと言うと、理事長は高利貸しから名士にのしあがった成金で、高利貸し時代に池玲子さん一家に激しい追い込みかけ一家心中させてる。
生き残った池玲子さんは復讐のためにこの学校に転校してきたんだよ。
だから、理事長宅は池玲子さんの復讐を杉本美樹さんがサポートするように撮られてる。
ここに着て完全に池玲子さんが主役なんだよ笑

主役より準主役の背景が重く話のクライマックスになるって脚本がおかしいんだよな笑
ただでさえ、演技力があり器用で妖艶な池玲子さんの影に隠れがちと言われた杉本美樹さんだから、こんなことされるとさらにそのイメージが強くなっちゃうよな、、笑
映画自体は東映、そして鈴木則文監督らしいギャグとエロとベタなドラマに包んで反権力性、弱者への共感を打ち出した快作だけど、杉本美樹さん推しとしては複雑な気持ちが😂

それでも劇中「世の中ひっちゃかめっちゃかさ」と諦観と怒りを込めてニヒルに言い放つ杉本美樹さんは超クール。
今も世の中ひっちゃかめっちゃかなんで何かすげぇ滲みた笑
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