イチロヲ

ピンク・フラミンゴのイチロヲのレビュー・感想・評価

ピンク・フラミンゴ(1972年製作の映画)
4.0
安穏と暮らしている巨漢のドラァグ・クイーン(ディヴァイン)が、「世界一下劣なファミリー」を自称している兄妹からの宣戦布告を受ける。アメリカの深夜興行で記録的ヒットを飛ばした、カルト映画の金字塔。

「バイオレンスを賛美して笑いを取るスタイル」の発明に成功している作品。既成概念からの脱却と社会秩序の破壊を追求しており、全編にわたり「臭いものに蓋をしない精神」が炸裂。放送禁止用語、下半身ネタ、虐待行為でドラマが進行していく。

ディヴァインは似た者同士の仲間たちと一緒に共同体を作っているだけであり、他人に危害を加えることはしない。だが、奇抜というだけで不当に因縁をつけられて、日常を破壊させられてしまう。イジメっ子とイジメられっ子の関係性に重ね合わせることが可能。

体重130キロ超のドラァグ・クイーン、ディヴァインがアンチヒーロー的に神格化されて、映画から実世界へと飛び出していく感覚を得ることができる。肛門パクパクはアングラ芸としてアリだが、無修正での視聴はオススメしない。
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