悪魔の毒々クチビル

デスキャンプ 屍獣たちの宴の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

3.5
ボランティア活動をしに来ただけなのに。

山にキャンプ場を作るよーってことで、手伝いに参加した6人の男女に襲い掛かる悲劇を描いた作品。
しかしこの映画の変わった所は、彼らは殺人鬼やモンスターに襲われる訳ではなく、ただ勝手に死んでいくのです。

振り向き様に木の枝が目にぶっ刺さるとか、不運以外の何者でもないハプニングに見舞われます。
そういった場面での残酷描写も結構しっかりしているので、観ていてとても痛々しかったです。ひえー。

この設定に似ている映画だと、もっと有名処で「タッカーとデイル」が挙げられるかと思います。
確かに両作品とも前半はどいつもこいつも勝手に自滅していくのですが、後半からそれぞれ違いが浮き彫りになっていくというか。

「タッカー~」の方は終始どんどん自滅していく様をコメディ調で楽しく描いていますが、こちらは段々シリアスになっていきます。「こんな事故でポンポン人が死ぬもんかね!?」と互いに疑い出すようになっていくのです。

しかし映画全体の雰囲気が変わっていくのに連れて、自滅要素まで薄まっていったのはちょっと残念でした。結局途中から疑心暗鬼による殺し合い、というよくあるパターンに陥ってしまったので。
まぁ、これもある意味自滅と言えば自滅なのかも。

とは言ってもメガネ女子が木を切る場面で、レザーフェイスばりに大袈裟にチェーンソーを振り回してふざけていた結果、見事にすっ転んで自分の顔面にギュイーンとなるって言うお約束をしっかり守ってくれたので満足です。

その後の一緒に作業をしていた仲間による応急措置(とどめ)も、笑えました。