悪魔の毒々クチビル

ブラック・フライデーの恐怖!の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

3.3
"Black Friday is over!!!"

感謝祭セールのオモチャ屋に寄生型エイリアンも入店しちゃったお話。


2021年製作のホラー映画です。
キャストはデヴォン・サワ、イバナ・バケロ、ブルース・キャンベル、そしてマイケル・ジェイ・ホワイトと、豪華(?)な面子。
監督はケイシー・テボ。フィルマには今作しか作品が登録されておらず、何となく調べてみたら如何にもヘヴィメタルバンドにいそうな風貌でした。
何ならAEROSMITHとかBLACK VEIL BRIDESのライブDVDの監督もしていたようで。てかBVB全然来日しないな……


そんなメタラー監督の撮ったホラーですが、中々惜しい。
シチュエーションやキャスト、特殊メイクなんかは充分良いのにイマイチ盛り上がらず終わってしまいました。
特に寄生されてから段々とモンスター化していく人々の造形や変異していく描写はかなり出来が良かっただけに、登場が遅めなのが勿体なかったです。
序盤のほぼ暴動なセールスデイのくだりも、「サンクスギビング」を観たあとだと大分霞んで映ってしまっていました。まだまだ生ぬるい。

デヴォン・サワは最後に観たのが「ファイナル・デスティネーション」だったので、知った上で観ても「あ、君が…デヴォンなの?」と困惑するくらいにはおじさんになっていて時間の流れを感じました。
ブルース・キャンベルはベテランならではの開き直ったノリでクズマネージャーを演じていて、存在感は今でもピカイチでした。
そして唯一の武闘派マイケル・ジェイ・ホワイトですが、既にフォロワーさん方のレビューでかませ犬ポジションなのは知っていたので、逆にどんだけ早く退場するのか気になりながら観ていました。
そんな視点で観ていたら意外と頑張ってたじゃん!奮闘していたじゃん!
ある程度はゴアシーンもある作風なので、もっと「モータルコンバット」ばりのフェイタリティとか決めてくれたら良かったけど、まぁ役割的には健闘した方だと思います。みんな拍手!

じわじわと合体していくキモいクリーチャーの様子だったり、変貌客の脅威をもっと見せて欲しかったけど結構キャラ達の掘り下げに時間を割いていて残念でした。
いや、そう言う流れはあって良いんだけどそれをやる一方でホラー的な描写でもちゃんと満足させて欲しかったなと。

最後も合体に合体を重ねたモンスターをどう相手するのかと思ったら、あんなダイナミックゴムパッチンで良かったのだろうか。
でもあの手造り感満載の造形はこれまた良かったんだよねぇ。

個人的に特殊メイクのクオリティが好みなだけあって、非常に勿体ない内容でしたがそこまで駄作とも思わなかったですね。


余談ですが今作のメタラー監督、自分の作品を違法ダウンロードで視聴した人が働くお店で仕返しに万引きしたらしいです。