このレビューはネタバレを含みます
約3時間の長丁場でも楽しみながら鑑賞できたが、やはり中間の一時間はダレる部分もあったことは否めない。
前作ブレードランナーの人間とレプリカントは白人と黒人奴隷の構図で人間とは何かを問う話だった。
今回は人間側がナショナリズム(保守)、レプリカント側がグローバリズム(革命)の構図になっている。
要は今の社会問題を背景に描いているのだ。
レプリカントを取り巻く状況と生殖機能の設定は移民問題とLGBT問題や同性婚を象徴している。
「それを認めれば秩序が崩壊して世の中がめちゃくちゃなるから壁を取っ払ってはいけない」というロビンライトのセリフがこの映画の問い掛けではないだろうか。
監督の前作「メッセージ」はグローバリズムと反戦の映画だった事から監督の意思はグローバリズム側なのが分かる。
オタクなら誰でも感じた事があるような孤独感と疑似恋愛をKという主人公キャラクターに体現させる作りは上手いと思う。