伝わってくる内容は全然違うが、映画の描き方というか構成というか文体というか、そういうものは『惑星ソラリス』(1972ロシア)に似ている。役者陣の演技が全く演技に思えないほど自然体で、まるで家族もののドキュメントでも観ているかのよう。
エルドマンの娘は、プライベートでラフな格好をしている時は部活の高校生くらいにしか見えないが、スーツで決めている時は鉄の面を被ったキャリア・ウーマンのよう。そして、それが彼女という人間を象徴している。
エルドマンが変装用の作り物の歯を入れる時、どうしても、最後に息を引き取った時のドン・コルレオーネ(マーロン・ブランド)に見えてしまったのは私だけだろうか・・・。パパ、しつこかったけど、あの被り物はナイス・アイディアだったね。(-_^) 公園でとびつかれた時は嬉しかっただろうな。
自分的には、「パパ、異常よ」って、娘が怒るシーンがとても好き。あの演技は演技に見えない。
人生にとって大切なことをじわっと心に刻ませてくれる映画。
映画の終わりの方に映像的に意外な贈り物があり、男性諸氏には目の保養になる。それにしても、その展開は全く予想できず、ビックリした。(笑)