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パーソナル・ショッパーのkouのレビュー・感想・評価

パーソナル・ショッパー(2016年製作の映画)
3.5
《見えないものへの恐怖》
オリヴィエ・アサヤス監督、クリステン・スチュワート主演のサイコスリラー映画。ほぼ全編に渡ってクリステン・スチュワートが出ている映画で、彼女の底力に驚かされた。とても不思議な映画で新鮮だった。

ファッション業界で働くモウリーンは霊感の持ち主で、死んだ双子の兄を探している。彼女のもとには幽霊のような者が姿を表し、ホラー映画的な要素もある作品となっている。とてもジャンル分けが難しい映画だが、それゆえに次々に起こる出来事に惹き込まれていく。

今作では携帯のメッセージがとても効果的に使われている。相手の分からない相手からのメッセージはとても不気味で無機質であるが、時にその内容から怒りを感じる。それはメッセージのタイミングであったり、文面だったりするのだが、そこで面白いのは相手を想像しているのが自分自身だということだ。僕らが日常的に行っているように、メールの文面で相手を想像して作り出す。それはある意味幽霊のように見えない存在を見ているのと同じなのだ。霊からのメッセージが受け取れるモウリーンにとって、メールも同じような存在かもしれない。

ホラーとしても、サスペンスとしても楽しめる一作。クリステン・スチュワートの美しさも見どころの1つだと思う。
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