やっぱりケン・ローチが好きだ!!
と思いました。
素晴らしかった・・・★
話はやはりとても深刻でして。
文明社会といいながら機能しているとは到底言えない制度制度の嵐。
大工で妻一筋の老年男と若いシングルマザーという世代も性別も育った環境も全然違う2人が同じ苦難に陥りお互いを気にかけ、当たり前のように接することから掛け替えのない絆が生まれてゆく。
しかし大きな経済的危機を抱えた人は生活が困窮するだけでなく不安も増し、暮らしにくくなるのは当たり前なわけで。
そうならないためのセーフティネットを国が国民に用意するのも当たり前で。
奇しくもデジタル化が始まり、複雑になるシステムの中で乗りこなせない人は乗せないというバスがイギリスを横断している。
イングランドがEU脱退の国民投票の前に撮った映画とあって、現在までの流れを踏まえると余計に感慨深い。
パンフレットでケン・ローチが語っていた通り、私も独立で右傾化、孤立化が進むにつれこの映画に出てきたような「国民」はどんどん追い詰められてふるい落とされていくのでないか?と思う。
もちろん日本だって他人事じゃない。
特にお年寄りや社会的弱者に留まらず普通の国民だって暮らしにくい法案ばかりが毎日可決され、施行されていく中で自分がいつ巻き込まれるかわからない。
いや社会の一部としてもうすでに巻き込まれているはず。
だからこそ、ダニエルやケイティ、隣のチャイナや役所のアンのような相手を当たり前に思いやり手を貸すことが尊い事に見えてくる。
ほんと、当たり前でありたいけど余裕がなくてついつい他人のことは後回しになりがちなのも全ては余裕の無さ、が原因だと思うんですよ。
でも映画に出てくるみんなだって余裕がないのにきちんと他人を家族を思いやれてて凄い。
ダニエルのあの行為の時には熱い涙と笑顔がこみ上げてとまりませんでした。
後、「ダニエル・ブレイク」ってちょっとダニエル・クレイグと言い間違えそうになりません??
同じイギリス映画だし。
危なかった〜(笑)