ホニャララ

わたしは、ダニエル・ブレイクのホニャララのレビュー・感想・評価

4.4
教科書のような映画でした。シーンのひとつひとつが丁寧で、意図する情報が的確に明確。真新しくはないものの決して手垢の着いた表現には感じさせない洗練されたシーンやカットの連続、小気味いいテンポの会話。
「誰のための制度なのか」
生活保護や年金、移民の受け入れetc…一筋縄ではいかない問題はどこの国にも転がっていて、関連する法律や制度制定は必要だけれど、その複雑さ故に正当に保護されるべき人々に救いの手が届かないなんてことは絶対に許されない。これは驚くほど現実を描いたフィクション。5年に一度でも10年に一度でも、こんな映画に巡り会えるなら今まで映画見てきて良かったって心から思う。世界の平和を守りたい!なんて大それたことは言えないけれど、自分が弱っていてもすぐ隣の困っている人には迷いなく能う限りの力を貸してあげられる人でいたい。一度は筆を折った監督が自身の立場を理解したうえで本作を発表したように。
ホニャララ

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