ぴろぴろ

わたしは、ダニエル・ブレイクのぴろぴろのレビュー・感想・評価

4.2
人として当たり前に生きる事が難しい国に未来はあるのだろうか。 厳しい現実の中を必死に生きようともがく労働者や社会的弱者の姿を描く秀作だった。
極々普通に生きて来たダニエル。 福祉支援制度の隙間というか、網目に引っかからずに漏れてしまった者は。
先進国に生まれ、それなりに社会福祉制度が整っていると勝手に思い込んでいると、いざという時 どうなってしまうのだろう。
鑑賞後に分かる、タイトルの深さ。

シングルマザーのケイティが演技に見えないくらいリアリティがあって、惨めさに思わず泣くシーンは切なくて辛かった。
困っているから役所に行くのに、お役所仕事という言葉があるくらいで冷遇、たらい回し。 規則は規則だし優しい人もいたけど現実は過酷で、尊厳すら踏みにじられる。 凹む。 そんな時でも支え合って助け合ってギスギスするんじゃ無くて、敬意を持って接するダニエルは、人として素晴らしかったし、人間らしい姿だった。
ケイティの娘の言葉が効いた。
みんな「お互い様」
自分も含めて世の中が、もう少し優しくなれると良いですよね。
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