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わたしは、ダニエル・ブレイクのyukkeのレビュー・感想・評価

4.3
静かに進むストーリーの中に、
強く燃える怒りの炎がみえる。

これでいいのか。このままでいいはずがない。
制作者の怒りが熱く伝わってきた。

この映画で描かれている出来事は、ほとんどが現実に起こっているのだろうと容易に想像がつく。フィクションであればどれだけ嬉しいだろう。妻を愛し、手を差し伸べようとしてくれる友人もいて、自分のことよりも困っている人を助ける事が出来る優しい人なのに、
現実は冷酷だった。

私達の支払っている税金が何にいくら使われているのか、どんな人達に支払われているのか。どんな制度があって、受給するためには何が必要なのか。恥ずかしながら私はほとんど知らない。

コロナで多くの人が給付金の申請をした今だからこそ、明日の生活に困っている人がいることも、騙して受給しようとする人がいるだろうことも、市役所で働く人達の苦労も、身近に感じられる。そして、そもそも選挙に真面目に参加していない自分が怒る資格さえ無いことも十分に感じている。

今だからこそ、たくさんの人に見て欲しい。
そして最後のメッセージを受け取って欲しい。

わたしは、ダニエルブレイク。
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