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ラビング 愛という名前のふたりのTkのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

1958年。人種差別の強い時代。
物静かな白人男性のリチャードとおしとやかで可愛らしい黒人女性のミドルレッドは、恋をして子供を授かった。そしてリチャードはミドルレッドに求婚した。

ただただ普通に夫婦として暮らしたかった。自分たちの故郷で。しかしそんな普通のことが許されない時代。彼らは諦めず、戦うことにする。ラビング夫妻はワシントンDCで結婚式をあげ、故郷であるバージニア州に戻り生活を送る。しかしそれは違法であり、刑務所に入れられることになってしまう。

物語は静かにすすんでいき、時がすすむにつれ、子供たちの成長を感じながら、10年という月日がたってもなお彼らは捕まるかもしれないという不安の中で生活していて、リチャードは、職場で嫌がらせを受ける日々なのが、切なかったです。

なんという時代なんだろうかと思いました。しかもたった50年ほど前のことであり、今では肌の色の違いで結婚してはいけないというのはないけれども、昔はそんな法律があったのだと思うと不思議な気持ちになります。

最後は裁判に勝ち、ラビング夫妻は故郷であるバージニア州に買っていた土地に家を建て住むことになりますが、リチャードは裁判に勝った7年後に事故死してしまう。ミドルレッドは再婚せず、ずっとその家に住んだとありました。安心して暮らしたかった土地にはたった7年しか住めなかったのです。人はどんなタイミングで死に直面するかわからないですが、だからこそ、挑戦する心を忘れてはいけないなぁと感じました。ラビング夫妻の愛を感じました。

No.189
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