本作には個人的にも色々あって思い入れが深い作品、『LOGAN ローガン』。
この20世紀側のMarvelシリーズX-MENは、もはやパラレルワールド化しており、全てが時系列順に1列に並べない感じなっている。
というのは、最近『ウルヴァリン』のレビューでも触れた気がするが、本作もまさにそれ。
でも、それはそれで素晴らしいと思える作品。
ミュータントと人の住む世界。
『ウルヴァリン』シリーズや本家『X-MEN』シリーズで色々あって、その先の1つの可能性として「ミュータントが絶滅に瀕したら?」という、いわば“もしも”シリーズみたいな話ではある。
そして、その「絶滅に瀕したキッカケ」。
それが、あれだけミュータントを守り、人との共存を訴え、決して諦めなかった“プロフェッサーX”こと、チャールズにあったとしたら、、、。
そして、鉤爪ではなくミュータントとしての、ホントの能力としては“治癒能力”であるはずの“ウルヴァリン”ことローガンのその能力が、埋め込んだ無敵の金属アダマンチウムによって犯されていたとしたら、、、。
ここまで散々紆余曲折ありながらも、あれだけ盤石だったX-MEN達の面影もない。
彼ら2人だけが生き遅れてしまったような世界において、また“新たな犠牲”によって“新たな希望の芽生え”が生まれる。
しかし、その事実をどう捉え、どう受け入れるか。
育むことがたやすくない世界で、どう生きていくか、生きていけるか、を問う。
非常にドラマ性の高い作品。
従来のX-MENのアクションや、ビーム、ビーー!ファイヤーーー、ドカーン!ストーーーム!
マグニートーーー!みたいな派手さを一切捨てた作品。
このアクロバティックでアバンギャルドな派手さがウリのようなシリーズからその派手さを排除したら何が残ったのか?
何にも残らない、かと思いきや、本来伝えたいものが、剥き出しで出てきました、みたいな作品。
もう、もはや最後とか感極まるわ、こんなん。
シリーズの他作品を観てなくてもこれだけで十分グッとくる作品だし、他の作品を何回も観た人にとっては、彼の行き着く最後の終着点の1つ、として、集大成的に堪らない作品。
パラレルワールドだとしても、それまでのあれこれの足跡、経験を経たローガンがそういう覚悟を決めるのか、とか思うと、、、震える。
ローラ、少女にしてめちゃカッコいいし、キュンとする不思議オーラが素晴らしい。