jonajona

サバービコン 仮面を被った街のjonajonaのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

上映当時から気になってたのを
レンタルで見つけたので鑑賞。

評判はあんまり良くないですね。
たしかに中途半端な気はするなぁ
でもちょっと好き。

ジョージクルーニーの監督作は
地味に初めてみる。意外と内向的な
人なのかもしれないと勝手にシンパシー

○いいところ
・子供目線で田舎町の昼メロ殺人サスペンスが我が家で展開するさまを見させられる、てのはゾッとするものがあった。
(いまいちそこに焦点が定まり切ってない感はもどかしいのだが…)

・サスペンスとしては初めのポイントはとても良かったです。『家族を襲った強盗の顔をなぜか父が知らないという』子供からしたら何か得体の知れない感じ、自分の土台を揺るがす出来事なのが容易に想像がついてどうしたって感情移入します。
多少無理はあるけど、警察でミラー越しに犯人を見るあの場面は中々ドキッとした。

サスペンスに、食い違う人たちが一同に会する場面があるとグッときます。

・子供の視点だからなのか?夢の中みたいなビビットな色彩が独特な雰囲気をもってた。

・子供の視点で描かれる親の見たくない痴態。最悪ですけど、何か分からずとも嫌なことが起こってると感じてる少年の演出がよかった。

・差別描写がやや緩いが、TVで『黒人たちを差別する訳じゃないけど、同じ所には住まないで』ということを白人オバさんが言うんだけど、こういうナチュラルなバランスの差別意識を垣間見えさせる演出は冴えてた。

・叔父さんかっこよかったよ!

・どこか牧歌的でブラックコメディとして見れる。差別と不貞、妻殺し・子殺しと中身はかなりディープなのにライトな仕上がりになってるのは凄いと思う。
(ただ振り切れてない)

○いやんなところ
・直感的な言い方で申し訳ないけど、映像が少しダサく感じる。なんだろ、そんな破綻した絵作りとは全く思わない。けど、なんだろ、被写体の距離感かな?結構ひとに近寄った絵が多かったり、喋る人をそれぞれ撮ったり、昔のテレビドラマのように見える。演出にも古典的!って感じのがあるし、あえてなのかもしれません。

・話がごちゃごちゃしてる。
街には秘密があった、て広告売った奴が悪いけど、てっきり黒人差別を秘密裏にって話かと思いきやそういう話じゃなかった。
冒頭からガッツリ隣家の黒人が差別されるし、かといってそれが主人公たちに関係してくる問題でもない…
せめてそこで絡み合えよ〜う、と
期待しちゃうのはだめですか?

・→多分『黒人差別』っていうアメリカらしい歴史テーマが描きたい意識は強くあったけど、同時に『自滅する差別主義白人家庭』もみせたい。差別主義者は自滅するってメッセなんだめちゃくちゃシブいだろ!
ってことなんじゃ。
その結果、ぶつからない両者が
生まれて物語が平たくなったと。

・いや、ほんとお隣さんと絡めよって

・父と叔母の企みが露見するまでが退屈で、露見してからもやや退屈。物語上、子供が気付く時点で観客もお察しするからその先にもう一捻り展開が欲しかった。普通に追い詰められていくのが物足りない。

・ブラックコメディとしてはもう少し振り切れて欲しい。
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