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ハクソー・リッジのnewのレビュー・感想・評価

ハクソー・リッジ(2016年製作の映画)
4.1
ヴァージニア州で育ったデズモンドは神を信仰し、決して人を殺めてはいけないと信念を持っていた。
彼は、衛生兵ならば自分も国の力になれると考え軍に志願する。
彼は信念を守るため銃を一切持たずに、激しい沖縄戦の戦場ハクソーリッジへと赴いた。

TOHOシネマズ新宿にて試写会で鑑賞。
見終わった後にどっと疲れが来た…。それほど重く考えさせられる映画。前半はデズモンドの生い立ちや、ひととなりが、故郷や軍での訓練を通じて描かれており明るい部分も見えて比較的軟らかい内容。
しかし後半戦場に入ってからは、一転。息もつけない様な戦場での戦いはこれが戦争映画ということを一瞬で思い出させられた。
「プライベート・ライアン」を超える戦場シーンと謳われていた今作。なるほど、たしかに現在の技術を使ってより臨場感あり、より凄惨に戦場が描かれていました。

戦場で一人命を懸けて命を救うデモンズに心をうたれました。「もう一人救わせてください」と祈りながら、仲間を救う姿はまさしく英雄と呼ぶにふさわしい。
しかし、最後の最後で少し納得いかなかったです。
戦争の悲惨さを訴える映画であるはずなのに、デモンズに救われた仲間が奮起して日本兵を殲滅するシーンがあること。そもそも、この映画ではちょこちょこ日本兵を天皇に心酔するイカれた狂戦士の様に描かれている。確かに、かつての日本にはその様な考えがあり命もいとわず汚い戦術を取っていたのも事実である。しかしハクソーを制圧し、日本兵が腹を切るシーンは必要があったのだろうか…。
まるで、仲間を傷つけた憎き日本を負かせてやったぞと言わんばかり。
アメリカ兵も日本兵も両方を救おうとしたデズモンドの行いを綺麗に描くのは良いが、戦争は互いに、被害者であり、加害者であることを忘れてはいけないと思います。
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