アキラナウェイ

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリーのアキラナウェイのネタバレレビュー・内容・結末

2.9

このレビューはネタバレを含みます

「最後のジェダイ」以降、暗黒面に堕ちてしまったダース・アキラナウェイ。今回、ちっともワクワクしていない。公開日もFilmarksの通知で知って、全く心待ちにしていない自分にびっくり。

結論、それなりには楽しめたけど、不満点の方が多いのが正直なところ。

シリーズ屈指の人気を誇るハン・ソロの若かりし日々を描くスピンオフ作品。

序盤、スピーディーな展開でかなり惹きつけられ、これは期待出来るかと思ったが。

前半部分のハン(オールデン・エアエンライク)は、惑星コレリアで離れ離れになってしまった恋人キーラ(エミリア・クラーク)を捜し出す為、船が必要だったし、パイロットになる必要があった。その行動原理がモチベーションとなり、観客も納得の上冒険を共にする。

しかし中盤でキーラとあっさり再会した事で、ハンの目的が一気に霞んでしまう。ミレニアム・ファルコンをGetするんでしょ!っていう事はわかってはいるものの、ハンが船を手に入れる必要性もパイロットになる必要性も一気に薄れてしまい、観客は何処に連れて行かれるのかわからない冒険の同行を強要される事になる。

登場するキャラクターが多過ぎるし、退場するキャラクターも多過ぎる。ローグ・ワンでは、デス・スターの設計図を奪還する為に多くの命が犠牲になったという描写が必要だったが、本作で命を落としたキャラクターは果たしてその必要があったただろうか?

ハンとチューバッカのコンビとしての活躍を観たいのに、もしくは2人の絆を深めるドラマが観たいのに、圧倒的にそれが足りない。

そして終盤、カードゲームでイカサマを仕掛け合う様に裏切り、出し抜こうとするキャラクター達。その裏切りの繰り返しはキャラクターを薄っぺらく見せ、ドラマ自体を軽くする。

オールデン・エアエンライクはハンに成り切ろうと健闘したが、ハリソン・フォードが見せる、眉間に皺を寄せ相手を指差して追求する様なシリアスな面が足りない。逆に軽薄で皮肉交じりの笑顔が多過ぎて、その事もドラマを軽くしてしまっている要因の一つと言える。

離れていた3年間でキーラに何が起こったのか。
生きていたモールとはどう繋がったのか。
(このサプライズには最も驚いたが、生きていたのであれば、下半身が機械化している等、時系列を混乱させないヒントが最低限必要だった筈。)

ジャバ・ザ・ハットやマズ・カナタとの繋がりを描いても良かったのに。今後のスピンオフ展開の為に色んな要素を出し惜しみしている感が否めない。

終盤でエンフィス・ネストが革命を口にするが、帝国軍の影が薄いので、革命という大義も取ってつけた様な印象に。

随分不満を述べてしまったが、最後に良かった点も記しておく。

列車でのアクションの高揚感、ウディ・ハレルソンの存在感、ポール・ベタニー演じるドライデンの武器のカッコよさ、ケッセルラン12パーセクの伏線回収、ミレニアム・ファルコンの勇姿とSWのテーマソングのセットはやはり感動する点等。

総括としては、もやもやが残る結果となった。暫くすれば、ストーリーもキャラクターの名前も忘れてしまいそうで怖い。