Koshii

哭声 コクソンのKoshiiのレビュー・感想・評価

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
3.5
韓国映画のサスペンスにハマりつつあるので、割と新しめの本作を選んでみました!


じめっとした空気感と、人間味あふれるキャラクターが堪らなく好きで、韓国サスペンスは自分の肌に合ってるなぁとしみじみ思いました。


あらすじをさくっと!

本作のタイトルである『コクソン』とは、泣き叫ぶという意味と韓国の地名「谷城(コクソン)」の二つの意味を持つ。その谷城という村では怪死事件が発生していた。主人公のジョングは警察官であり、その捜査を担当する。そのあまりに惨い殺人現場から、人間の仕業ではないのではないかという噂が広まる。山奥に住む一人の日本人が、化け物ではないかと実しやかに囁かれ、警察官らはその人物に接触するのだが、、

連続して起こる不審死に、「一体何が起きている?」と問いたくなるのだが、その対象すら見つからないほど事態は縺れ、捻れてゆく。

誰が、何処から糸を引いているのか。本作を見終わった後には、全てを疑ってしまうことだろう。



以下、ネタバレや感想を含みます。












やっぱり、韓国サスペンスの雰囲気は好きだ。キャラクターのリアリティのある息遣いと、現場のどんよりとした空気感が、まるでその場にいるように錯覚させる。「匂い」の描写が鋭いのは、これまで観てきたどの韓国映画にも通ずるものだと思う。だからこそ、雨、血、泥といった生々しい状況を脳内で完璧に補完させることができ、サスペンス映画の性質が活きるように感じるのだ。

本作のテーマはずばり、「疑心暗鬼」。蠢く犯人を追うジョングは、やがて日本人が仕掛けた連続殺人犯だと疑わないのであるが、その場合、それは呪いや祟りのような超自然的存在を認めることになる。夢か現実か、迷妄するジョングが疑う対象は、いつの間にか「疑心暗鬼」という名の鬼へとすり替わる。それはストーリーが展開していく中、肉体的にも精神的に摩耗してく彼の表情によく現れている。



オカルトチックな現象を扱う映画はあまり得意ではないので、結末も好みではなかったです。上映時間も長く感じましたし、途中の呪いvs除霊みたいなところからは、あまり乗れませんでした。うーん、残念!
Koshii

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