「チェイサー」や「哀しき獣」などバイオレントなサスペンスアクションを手掛けてきたナ・ホンジン監督の最新作は簡単に言うと韓国版「エクソシスト」です。韓国の片田舎に謎の日本人が現れてから村の人々が次々と発狂して身内を惨殺するという原因不明の事件が続発！村の人々は得体の知れない日本人が実は悪魔で村の人々に呪いをかけているのではないかと大騒ぎになり祈祷師を招いて悪霊退散の儀式を始めるが事態はどんどん深刻になり．．．という感じで序盤は横溝正史作品のような次々と起こる猟奇的な殺人事件に翻弄される田舎警察の面々の日常が淡々と描かれていくんだけど中盤以降は芥川龍之介の「藪の中」のように登場人物の視点を変えながら話が進んでいくため頭の中で話を整理しながら観ないと結構しんどいかもです。とはいえ作品自体は面白くバイオレントな表現が激しい韓国映画にしては暴力描写もマイルドだし謎の日本人を演じた國村隼さんの怪演や悪魔に取り憑かれた少女がエクソシストのリーガンさながらに奇声を発しながらのたうち回る描写などホラー映画が苦手な人でも楽しめる作品だと思います。
