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哭声 コクソンのkotaのネタバレレビュー・内容・結末

哭声 コクソン(2016年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

観てスッキリするのではなく、終わってからあれこれ掘り下げてみる作業が面白い作品だと思う。
以下ネタバレです。
あれこれシャレにならない展開なのだが、笑ってしまうツッコミどころも作ってあって油断がならない(笑)
「彼ら」は商売をしている。
そのために敵を排除しながら、同時に人間の悪魔性を引き出す見事なコンビプレーを見せる。
人々は試されているのだ。
私の考え方としてはそこに落ち着きました。
サスペンスだと思って観たので、ゾンビの登場からはかなり私は道を見失ってしまいましたが(笑)そんなところも後から考えてみると面白い。
悪魔という題材だからかしら、かなりキリスト教的なものも引っ張ってきてますね。
最初がルカによる福音書の一節から始まり、ペテロやトマスのエピソードが組み込まれ…しかし彼らがする宗教行為は国に根ざしている。
悪魔は結局万国共通「人」に巣食うものなのだ。
本来キリストにあるべき打たれた掌の穴が、國村隼にあったというのが皮肉に感じる。
疑わなければ、村人たちは闇に堕ちることはなかったのに、と。
しかしパンフを読んでみると、日本人の男はキリストだという方向性も示唆されてますな。
ただし、旧約聖書の時代に登場したイエス。
なるほど、そこはなかなか複雑な設定だ。
救世主なのか、神を冒涜する存在なのか。
新約以前の世界では微妙な立ち位置になりますもんなぁ。
面白い。
パスポートまで出させたのに、そこでなぜ身元を照会しないのか、とか、現実的なところは突っ込んじゃいけないのです。
惑いと不信と人の心が見せる歪んだ現実の物語でした。
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