つるみん

アリー/ スター誕生のつるみんのレビュー・感想・評価

アリー/ スター誕生(2018年製作の映画)
3.7
今年の東京国際映画祭の特別招待枠として上映された本作。全国上映より一足先に観賞。

オリジナルは1930年代の作品で、1954年のジュディ・ガーランド版、そしてこの映画に関しては1976年のバーブラ・ストライザント版のリメイクらしい。

ミュージカル映画ではないものの本作において〝音楽〟というのは核となる部分だ。そしてロック、カントリー、ヒップホップとジャンルも豊富で何より、この音楽たちが主人公2人の特性を深める助けとなっていた。間違いなく〝音楽〟がストーリーを牽引し、そこに表現されたものは成功に伴い摩擦が生じる男女の関係(ある意味シンデレラストーリー)を繊細に描いた一作。
ジャンルでいうと現実味に帯びたファンタジーといったところだろうか…。


自分が男という事もあり、男性側の視点で見ることができた。自己罰と自己犠牲の側面を強調し、主人公ジャックの中である程度覚悟がついているものの恐怖感が拭えないまま、元々ある才能と脆弱性の両方を兼ね備えた男が崩れ落ちていく様をこんなに巧く描いたとは。

ブラッドリー・クーパーの歌の上手さ、そして何より監督しての抜群のセンス。レディ・ガガの文句なしの歌声、そして演技の上手さ。「才能の開花」という一部のテーマはまさに本物の出来事だった。
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