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ディストピア パンドラの少女の一人旅のレビュー・感想・評価

4.0
コルム・マッカーシー監督作。

イギリスの作家:マイク・ケアリーによる2014年発表のベストセラーSF小説「パンドラの少女」を原作者のケアリー自身が脚色、新鋭:コルム・マッカーシー監督が映像化した英米合作のSFスリラーです。

未知の真菌感染によって人類の大半が狂暴化(ゾンビ化)した近未来を舞台に、人類の僅かな生き残りである少数の兵士と研究者が、真菌の保菌者でありながら高い知能を保持しているワクチン精製の鍵となる少女:メラニーを連れて、ゾンビによって陥落した軍事基地から遠く離れた基地本部を目指し危険な道のりを進んでいく様子を描いたゾンビ映画のバリエーションとなっています。

肉食系ゾンビが蠢く荒廃した都市部でのサバイバル&攻防が『アイ・アム・レジェンド』(2007)やPS3の人気ゲームソフト「ザ・ラスト・オブ・アス」を彷彿させるスリルと緊張を現出していますし、ワクチンの唯一の材料となる一人の少女を巡る人間心理の相克と皮肉的な立場の逆転に“適者生存”というこの世の真理を目撃することになります。

500人以上のオーディションを勝ち抜き主演に抜擢された新人:セニア・ナニュアが人類の最後の希望となる少女を初演技ながら堂々と演じ切っていますし、英国の若手女優:ジェマ・アータートンとアメリカの名女優:グレン・クローズら新旧実力派が脇を固めています。
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