「この家イヤ!知らない人が一緒にいる!」
再婚相手の連れ子が言う。
浅野忠信も、結構イヤな奴ですね~。
娘の心が緩んだスキに、もっともらしい言葉を滑り込ませる(^^;
とりたてて大きな事件が起きるわけではないが、目が離せない。
親子の緊張感とともに、浅野の偽善性が徐々に浮かび上がってくる。
ときおり映し出される職場や通勤経路の無機質さも、背景にある社会システムの均質な非人間性を暗示する。
生まれてくる幼な子は、"浅野"に見守られ、どのように育つのだろうか?
追記
浅野は、3世代同居の高齢者のメタファーでは。
「お父さんじゃない」、「知らない人」、と繰り返し指摘される。
身重の妻の病気の話すら、まともに受け止めることのできない硬直性も、高齢者に特有のもの。
そうすると、これから生まれてくる赤子を、浅野に見守られせてよいのだろうか?
そんなことも考えさせられる良作。