ハッピーアイスクリーム

ワンダー 君は太陽のハッピーアイスクリームのレビュー・感想・評価

ワンダー 君は太陽(2017年製作の映画)
4.3
生まれつき人とは違う顔立ちのため、幼い頃から自宅で母と勉強をしていたオギー。
学校に通い始めた彼が困難に立ち向かい、やがて周囲に変化をもたらしていく姿を描いたドラマ。

宇宙飛行士のヘルメットを被り、ロケットのカウントダウンとともに勇気を出すため楽しい空想を浮かべながらの初登校。
いつのまにか、はじめてのおつかいで泣ける年代に差し掛かってきた僕には、涙なしには見れない作品だった。
心を洗い流されて出た汚水がまぶたから噴出した、そんな気分です。
スターウォーズネタはあまり分からなかったけど。

前半はオギーの家族や周囲の人々に焦点を当てていて群像劇のようだった。
オギーに対するそれぞれの意識がすれ違いを生んだり、悩みを抱えたりするのだけど、そこには“オギーが大好き”という根底があって、その想いが伝わったからこそ、こんなにも泣けたんだろうなと思う。みんな温かくて愛に溢れていた。

特にお姉ちゃんの物語は良かった。オギーという惑星を中心にしてまわる、宇宙のような家族を蚊帳の外で見守る姿はとても胸打たれる。そしてそんなお姉ちゃんの唯一の理解者のおばあちゃんとの海辺のシーンが一番泣けた。
演劇舞台のシーンでは思わず拍手を送りそうになった。

“相手より大きな人間になるのよ”
“相手を知るためにやるべき事は たった一つ よく見ること”

正しさと親切さなら親切な方を。
強さは正しいことのために。
この作品は格言が一つのキーワードになってたけど、どれも人間関係において大切ないい言葉だった。
あと、作中で意味がわかるこの映画のサブタイトル、邦題にしては珍しく良く出来てると思った。