マーくんパパ

風花 kaza-hanaのマーくんパパのレビュー・感想・評価

風花 kaza-hana(2000年製作の映画)
3.6
相米慎二監督の急逝で遺作となってしまった。母と断絶しているピンサロ嬢ゆり子(小泉今日子)と不祥事起こし謹慎中の若い文部官僚廉司(浅野忠信)、帰る場所のない2人がピンクのレンタカーで北海道をあてのない旅をするロードムービー。母に預けてある娘の顔見たさに訪ねる再婚先のお寺、娘に会わせてもらえないゆり子と上司からもう役所に出て来なくていいと退職通知される廉司。季節労働者たちが泊まる民宿での夕食、食後のマスター(柄本明)の奇妙な歌と踊りが場違いな2人の孤立感を深めていく。深夜の雪原で静かに死のうとしたゆり子を助け起こす廉司。再度向かったお寺でひっそり遊ぶ娘の手に握られている一匹の蛙。生と死の息遣いを細やかに伝える相米慎二はもういないと思うと悲しい。