イチロヲ

未知との遭遇 特別編のイチロヲのレビュー・感想・評価

未知との遭遇 特別編(1980年製作の映画)
5.0
大停電の復旧作業中に謎の飛行物体を目撃した電気技師が、意味深長な山岳地帯の模型作りに取り憑かれてしまう。「侵略しない宇宙人もの」の先駆けとしてカルト人気を集めている、SFサスペンス映画。

「世界中で怪異現象が起こる→感得した主人公が奇行を起こす→各々の伏線がUFOに集約する」というスタイル。主人公が、地球上に居られなくなった(家庭崩壊した)立場に陥っているところがキーポイントとなる。

各地の怪異現象を順繰りに見せていく手法は、まさにスピルバーグの真骨頂。とりわけ、インド人の詠唱から音階を作成していく展開は、何度見てもワクワクさせられる。模型を作ることの意義が、しっかり回収されるところもスゴイ。

しかしながら、現在リリースされている138分の映像ソフトでは、主人公がマザーシップに乗り込んでからのシーンが削除されている。個人的には「主人公の存在価値を認めてくれる、安息の場所」を暗に示している特別編のほうが、涙腺を刺激させられる。
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